農業は誰にでも始められるけど、誰にでもできることじゃない

新規就農するにあたり、おそらく皆様、書籍やブログ、ネット、実際に農家に聞いたり、いろいろな方法で情報収集していると思います。

調べていくうちに、どんどん農業への意欲が高まっていくでしょう。

農業は始める分には意外と簡単に始められると思います。

とにかく、農地があればいいんです。

庭の畑でも立派な農業です。

ある程度の規模の農地が欲しければ、農地の使用貸借利用権を結べばいいんです。農地を買う必要はありません。

今、離農者が急激に増えていっています。わが地区は農業者が400人ほどの地区ですが、毎年2~30人ぐらい離農者が増えていっています。

いきなり農業素人が、「農地を貸してくれ!」と言っても聞く耳は持たれないでしょうが。ちゃんとした手順を踏めば、貸してくれる人はいると思います。

それは県に新規就農の相談をすればいいんです。

昔は新規就農者を増やすことに、それほど力を入れていなかったと思いますが、今は県も新規就農に力を入れています。親身になって相談に乗ってくれるでしょう。

ちゃんと農地のお手伝いもしてくれます。

新規就農したい方はまず県に相談しましょう。

農地だけでなく、計画だったり、栽培面だったり、経営に関することだったり、いろいろ相談できます。

そうすることで、意外と簡単(ではないかもしれませんが)に新規就農ができてしまいます。

もちろん、本人の覚悟や適性、やる気しだいですが。

私も業務上、たまに新規就農の相談を受けます。

職業紹介事業という、農家が求人情報を県域JAが運営する専用サイトにアップし、求職者(バイト、パート希望者)から応募があったらJAの担当者(それが私です)にメールが届きます。

私が求職者に電話→面談の日程を決め→面談→その後農家に紹介→農家との面接→採否 という流れになります。

1回、JA担当者と求職者が面談するので、農家の負担がかなり軽減され、質の高い人材を紹介できるという、素晴らしい事業です。

「石川県の農業で働こう」で検索すると出てきます。一応、農家の仕事内容紹介として私が動画に出ております。

求職者と面談する際、たまに独立志向の方がおられます。

一回農家の下で働いて勉強し、独立したいという方ですが、それが一番、新規就農するには近道です。

おそらく、県に相談しても、農家での研修を経て独立することを進められるはず。一応、県独自の育成カリキュラムがありますので、そちらを履修する形もあります。

独立志向の方って、結構いろいろ調べていて、考え方もしっかりしているし、そんな方と話すのは楽しいです。こちらも新たな気づきが得られます。

私も新規就農を目指していることは伏せていますが、結局、「実は私も新規就農を目指しています」とバラしちゃいます。ほんとはあんまりよくない・・・のかな?

でも、今後、お互い切磋琢磨していく仲になる可能性があると思いますので、いいということにします。

そんなこんなで、新規就農の入り口は結構広いと私は思います。

 

・・・ですが、新規就農してからが本番です。

私はまだ新規就農しておりませんが、JA職員という経験と、実際に農家からの話、新規就農した方の話など参考にすると、やっぱり厳しい世界なんだと実感させられます。

新規就農者の定着率をご存じですか?

ググればすぐ出てきますが、

新規就農者の35%が4年以内に離農しているんです。

3人に1人は離農しているということになりますね。

それだけ、農業を継続させ続けるのは難しいのだと思います。

一番の理由は「儲からない」ことでしょうか。次は「思っていたのと違った」これも意外と多いです。

「儲からない」は難しい課題です。これをやったら儲かる!ってやり方があったら教えてほしいものです。そんなやり方があったらみんなやっていますが。

「思っていたのと違った」はその人のリサーチ不足であったり、適正であったり、いろいろあります。

実際本当にやってみないとわからないというのはありますが、ある程度、事前の準備段階でわかるはずです。

農業に「牧歌的なイメージ」や「人との関わりが少ないから楽」など楽観的な考えで新規就農を考えているのであれば、リサーチ不足です。甘いです。

農業は朝は早いし、猛暑や雨の中作業することもあるし、中腰作業など無理な体制で仕事することもあるし、ちょっとの判断ミスで作物が全滅することだってある。常に作物に気を使わないといけない。大雨や強風の日なんかめちゃくちゃ心配ですよ。

それから、人との関わりは農業において最も重要といっても過言じゃありません。

農地を借りるにも、その人が代々守ってきた土地を借りるのですから、その人との関係性を蔑ろにはできません。信頼して農地を貸してくれているわけですから、思っていたのと違ったと言って、無責任に放棄するのは絶対してはいけないことです。

JAや、販売先、肥料・農機などのメーカーとの関係性も大事です。

あとは、地域との関係性です。よそ者扱いされたら終わりです。ある意味これが一番やっかいで重要。地域によっては煩わしいと思うしがらみなんかもあります。

農業をするということは、その地域の住人になるということ。自覚と責任を持って新規就農しましょう。

「思っていたのと違った」というのは、それらのことを知らないことが多いからだと思います。

でも、これは誰も教えてくれることじゃありませんし、書籍やブログにも書かれていることは少ないと思います。

栽培技術や販売戦略などは新規就農してから段々とスキルアップしていきます。もちろん就農前にも勉強は必要ですが。

誰も教えてくれない農業を知ることが、「思っていたのと違った」を回避できる方法だと思います。

理想と現実のギャップをいかに埋められるか、または覚悟できるか。

でもそれは、誰にでもできることじゃないと思います。

一番はまず農家に聞くこと、それが大事です。

農業に興味を持ち、農業の世界に飛び込むのは非常に素晴らしいことです。それだけ魅力のある産業だと思います。

ただし、農業を続けることの難しさが定着率が低い原因でしょう。

農業の入り口は広いです。しっかり準備して新規就農しましょう。

 

最後に私のおすすめの書籍のご紹介です。

悩んでいた時に、これを読んで力が湧いてきました。

すごく読みやすく、わかりやすく書いてあります。

ネット販売でやっていく方には是非読んでほしい書籍です。

 

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